2026新作 ltm✖️[sn]Merino Relaxed Action longT

フリースは暑い、Tシャツは寒い。その”あいだ”の一枚。

正直、ずっとモヤモヤしてたことがあって。

登山のレイヤリングって、ベースレイヤーの上はたいてい中厚手のフリース。でもあれ、僕にはちょっと分厚いなと感じてました。行動中に着るには暑いし、脱いでもかさばる。

かといってポーラテックアルファダイレクトやオクタは、行動着として本当に優秀。ただ、あのスポーティーな質感は、僕の普段の格好にはちょっと馴染ませにくいなと感じてて。

——じゃあ、その”あいだ”の一枚がないやん、と。

「フリースほど暑くない、でもTシャツより一枚ぶん暖かい」。その隙間を埋めるために作ったのが、この長袖です。素材はメリノウール。暑い時は涼しく、寒い時は暖かい。薄いのに一年を通して頼れる。僕はこれを「薄ミドル」と呼んでます。ベースとミドルの、もう一枚手前の薄い層です。

サイズはあえてゆったり。頭からスポッと脱ぎ着できて、行動中の温度調整もラク。腕周りのゆるっとした感じが、着てるだけで気分が上がるんですよ。

しかもこれ、1枚でサラッと着るとそのゆったり感がそのままいい塩梅で、街着としても完成されてる。山でも街でも、肩の力を抜いて着てもらえたら嬉しいです。

細かいディティールは、この後じっくり紹介していきますね。

季節で、役割が変わる一枚

このロンT、肌に何を着るかと、上に何を重ねるかで、”別の服”みたいに化けるんです。

暑がりか寒がりかは人それぞれなので、着方に正解はないです。ざっくり、こんな感じで自由に。

行動中、1枚だけでもよし。
暑がりさんは、これ1枚をサラッと。

肌寒い日は、重ね着して行動してもよし。
Tシャツやスリーブレスの上に、羽織って歩く。

休憩中にヒヤッとしたら、その場でこのロンTを1枚プラスしてもよし。
ザックから出して、サッと着るだけ。

真冬は、いつもの長袖ベースの上に重ねて2枚使いもよし。
ベースとフリースのあいだに挟めば、薄いから着ぶくれもしません。

要は、その日の体感で足したり引いたりできる一枚。難しく考えずに、自分のちょうどいいを見つけてもらえたら嬉しいです。


「休憩中にヒヤッとしたら」の方が、行動中とシーンが分かれてリストにメリハリ出ましたね。

生地のこだわり

メリノウール50% × ポリエステル50%。 この配合には、山での実体験から辿り着きました。

ウール100%は、素晴らしい素材です。 調温・調湿に優れ、春秋冬の日帰り登山なら文句なし。 ただ、とにかく乾かない。

以前、空木岳でウール100%を行動着にしていたとき、 朝、寝巻きのベースレイヤーから着替えようとしたら、 前日の汗が抜けきらず、冷たいまま袖を通すことになりました。

日帰りなら気にならないことが、 泊まりになった途端、弱点になる。 アルプスのように環境の変化が激しい山では、 雨でウェアを濡らしたり、レインウェアの中がびしょびしょになることもある。 そんな場面で、乾かないウェアは、体温を奪うリスクになります。

だから、ポリエステルを50%。 濡れても乾きが早い。行動中の汗も、停滞中の冷えも、引きずらない。 そこにメリノウールの調温・調湿が加わることで、 寒いときはじんわり暖かく、暑いときはすっと涼しい。

どちらかの素材だけでは届かない場所に、 この配合なら届く。 山で実際に痛い目を見たからこそ、たどり着いたバランスです。

コンパクトスピニングで、上質な糸から

このTシャツの糸は、「コンパクトスピニング」という紡績技術で作られています。 空気の力で繊維をぎゅっと束ね、毛羽を包み込むように撚りをかける。 それによって、均一でなめらか、毛羽立ちの少ない糸に仕上がります。

ウールとポリエステルの混紡は、一般的に毛玉ができやすい組み合わせです。 ただ、このコンパクトスピニングによって毛羽立ちが抑えられているため、 ウールポリ混紡にしては、比較的毛玉ができにくい仕上がりになっています。 混紡の弱点を、糸の段階からケアしているということです。

糸の上質さは、着心地にもそのまま出ます。 肌にふれた瞬間のなめらかさ、軽さ。 ウールにありがちなチクチク感もありません。 使用しているメリノウールは18.5マイクロンの細さ。 この数値が小さいほど肌あたりがよく、素肌に直接着ても快適です。

生地の厚みは143g/m²。 ウールのベースレイヤーは150g/m²前後が一般的ですが、 あえてやや薄めに設定しました。 透け感が出ない厚みは確保しつつ、 ポリエステル混紡による速乾性と耐久性で、年間を通して使える一枚に。

発色の良さも、この糸ならでは。 毛羽が少ない分、染料がきれいに乗り、色に深みと鮮やかさが出ます。

こだわりのディティール

首元は、前回のモデルよりも少し横幅を広げました。

理由はシンプルで、 首まわりは、いちばん最初に暑さを感じる場所だから。

行動中、体温が上がると、 まず首元に熱がこもりはじめる。 ここに余裕があるだけで、胸元から熱気がすっと抜けていく。 歩きながら自然と換気される感覚は、 一度知ると、首の詰まったTシャツに戻れなくなります。

汗で生地が張りついたときも、するっと脱げる。 テントの中や山小屋での着替えも、もたつかない。 レイヤリングで上にフリースやシェルを重ねても、 首元が詰まって窮屈になることがありません。

ゆったりしているけれど、だらしなくは見えない。 鎖骨がちらっと見えるくらいの、絶妙な開き加減です。

暑がりの人ほど、この首元の抜け感に気づくと思います。 夏に向けて、一枚で着る機会が増えるこれからの季節にも、ちょうどいい開放感です

Yジョイントスリーブ

袖の付け方にも、ひと手間かけています。

このTシャツは、腕をY字状に縫い付ける「Yジョイントスリーブ」を採用。 肩まわりの可動域が広がり、腕を大きく上げても、裾がめくれ上がりにくい構造です。

これが効いてくるのは、意外と地味な場面だったりします。 岩場でぐっと腕を伸ばしたとき。 テント泊で寝返りを打ったとき。 ザックのショルダーを調整しようと手を上げたとき。

普通のTシャツだと、そのたびに裾がずり上がって、 背中がヒヤッとする。 あの小さなストレスが、行動中ずっと積み重なる。

Yジョイントスリーブなら、動いても裾が定位置に留まる。 背中の冷えを気にせず、動きたいように動ける。 地味だけど、着ている時間が長いほど効いてくるディテールです。

着丈とリブ

着丈は、少しだけ長めに設定しました。

50年代のビンテージスウェットをモチーフに、 腰をしっかり覆う長さで、背中の冷えを防いで、 かがんでもお腹が出ない。そういうわがままを叶える長さです。

そして、裾のリブも長め。

ゆったりとした生地が裾まで続いて、 リブがきゅっとアクセントになる。 主張しすぎないのに、どこかかわいい。

ビンテージの空気をまといながら、 さりげなくスタイルを作ってくれる裾まわりです。

左下にさりげなく入った「ltm × [sn]」ロゴ
左下には、ltm × [sn]のコラボロゴをさりげなく配置しました。

大きすぎず、目立ちすぎず。 でも、知っている人が見たら、ちょっとうれしくなる。 そんな控えめなかわいさです。

シンプルだから、どんなスタイルにも邪魔をしない。 だからこそ、毎日手が伸びる一枚になる。

ほんの小さなところに込めた、ちいさなこだわり。 気づいたときに、すこしだけ気分が上がります。

縫い目まで、気持ちよく。
このTシャツには、フラットシーマー縫製を取り入れました。

縫い目の凹凸が出にくく、 素肌に触れても、ごろつきや違和感をほとんど感じない。 着た瞬間から、すっと体に馴染んでいく感覚です。

もともとは競泳水着や、トップアスリート向けのウェアにも使われる技術。 でも、その恩恵は日常にこそ効いてくる。

登山中、ザックを背負って何時間も歩くとき。 家でゆったりくつろいでいるとき。 「縫い目、気になるな」と思う瞬間が、一度もない。

その静かな快適さが、 一日中着ていたくなる理由のひとつです。

肩の縫い目は、背中側へ。

肩の縫い目を、あえて背中側にずらした設計にしています。

一般的なTシャツの縫い目は肩の真上にありますが、 そこにザックのショルダーハーネスが当たると、 長時間の歩行でじわじわとストレスになる。

縫い目を背中側にずらすだけで、 その干渉がなくなります。

歩いているうちに気になりはじめる、あの小さな摩擦がない。 それだけで、山での一日がずいぶん変わります。

腕を下ろすと、袖がくしゅっと手首にたまる。この余りぐあいが、なんとも力の抜けた雰囲気を作ってくれます。ぴちっと着るんじゃなくて、少し持て余すくらい。それだけで、ぐっとこなれて見えるんですよね。

で、このゆるさ、見た目だけの話じゃなくて。腕まわりにゆとりがあると、動かした時にどこも突っ張らない。ザックを背負う、腕を上げる、岩に手をつく——山でよくやる動きが、全部ラクなんです。生地が肌に張りつかないから、汗ばんでも袖がまとわりつかない。

ゆるいのに、ちゃんと動ける。かわいいのに、山でも使える。この腕まわりに、その両立がぎゅっと詰まってます。

サムホールは、あえて付けていません

サムホールって、親指を通すあの穴のことです。
今回、あえて付けませんでした。

理由はひとつ。
その方が、カジュアルに見えるから。

穴があると、どうしても山の道具っぽくなる。
街で着た時に、ちょっと浮くんです。
だから今回は、見た目のゆるさを優先しました。

じゃあ手は冷えないの?って話ですよね。
そこは、袖の長さでカバーしてます。
もともと少し長めに作ってあるので、手を引っ込めれば甲まで隠れる。
指を通す穴がなくても、かじかむ手はちゃんと守れます。

見た目はゆるく。
でも、寒さ対策はぬかりなく。
付けなかったのも、ちゃんと考えた結果です。

カラーリング

やわら生成
淡紫
大人の山吹
夜中のネイビー

色は、育てるもの

今回の色は、山吹色と淡紫。

どっちも、最初は発色がいいです。
ぱきっと鮮やか。
着るだけで気分が上がる色。

でも、この服の面白いところは、そこじゃない。

着れば着るほど、色が渋くなっていくんです。

鮮やかな山吹色は、だんだん黄色みのある落ち着いた色へ。
アメリカの古着のTシャツ、あの味のある黄ばみ方に近いです。
新品にはない、こなれた雰囲気が出てくる。

淡紫も同じ。
はっきりした紫が、少しずつ深く、落ち着いた色になっていく。

買ったばかりは、鮮やかで楽しい。
しばらく着たら、渋くなって楽しい。
一着で、二度おいしいんです。

自分の色に育てていく。
そういう楽しみ方も、してもらえたら嬉しいです。

サイズスペック

やわら生成(きなり)について

正直に言います。

やわら生成は、透けやすい色です。

サンプルを確認したとき、[sn]の担当者からも「透けますよ」と言われました。

それでも、GOを出しました。

漂白していない、自然のままの色。

どんなボトムスにも馴染んで、着る人を選ばない懐の深さがあります。

真っ白よりやわらかくて、ベージュより清潔感がある。

やわら生成にしか出せない空気感です。

しかも、顔まわりが明るく見える。

首元に近いこの色が、自然と肌を引き立ててくれる。

着るだけで、顔映えする色です。

透けについては、着方でほぼ気にならなくなります。

1枚で着ると、こんな感じ。(写真)

この着方なら、下にドライレイヤーを1枚仕込むのがおすすめ。

クルーネックタイプが合わせやすくて、なかでもミレーのドライナミック スルー II(グレー か ブラック)が相性よし。

透けを抑えつつ、汗もサラッと快適です。

一方で、Tシャツやスリーブレスの上にミドルとして重ねる時は、ドライレイヤーは特にいりません。

すでに下に一枚あるので、それだけで透けは気にならなくなります。

しかも、そのインナーが襟元からのぞいて差し色にもなる。

弱点が、そのまま着こなしの遊びに変わるんです。

その一手間をかけてでも、着たくなる色。

僕はそう思っています。

こんな人におすすめ!

  • 山でも街でも使えるロンTを探している
  • ゆったりラクに着たいけど、だらしなくは見られたくない
  • 暑がりで、首まわりや脇の蒸れが気になる
  • 汗をかいても、サラッとした状態をキープしたい
  • テント泊や小屋泊など、泊まりの登山にも使いたい
  • 行動中の「ちょっと寒い」に、薄い保温着が一枚ほしい
  • 冬のベースレイヤーを、まだ持っていない
  • 山でも家でも、パジャマがわりにゆるっと着たい

そういう、ちょっとわがままな一枚を探していた人に、届けたいロンTです。